硬膜外ブロックとは?初学者向けの解説
いきなりですが
硬膜外ブロックって聞いたことありますか?
何となく聞いたことあるなぁ
硬膜外って何となく痛そう…
お気持ちすごく分かります。
私たち理学療法士はよく手術記録を見るのですが、この硬膜外ブロックは椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などの手術で頻出となります。
何となくでも知識を持っておくと臨床でも役に立ちますので、さらっと勉強してみたいと思います。
手術に関わる看護師さんや手術を控えている方にも、わかりやすく解説したいと思います。
硬膜外ブロックとは
硬膜外ブロックは、硬膜外腔へ局所麻酔薬などを注入することにより、脊髄神経および交感神経を遮断し、痛みで過剰に興奮した神経を部分的に麻痺させ、鎮痛作用を得ることができます。
神経を遮断と言うと少し怖いですが、歯医者の麻酔などと同じ感覚ですので、神経を遮断すること自体はさほど大変なことではありません。
痛みがある部分は血管が収縮し,神経に酸素や栄養が伝わりにくくなるため痛みが増強していきます。
そこで、硬膜外ブロックを行うことで痛みのある部分の筋肉をほぐし、血流を改善させ、酸素や栄養を痛みのある場所に効率よく運ぶことにより、痛んだ神経や筋肉を効果的に回復させることが可能になります。
硬膜外ブロックの適応
適応疾患は、椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、帯状疱疹後神経痛などとなります。
抗凝固薬の服用や局所麻酔薬に対するアレルギー反応、穿刺部位の皮膚炎・感染創がある場合は適応とならない場合があります。
硬膜外ブロックの姿勢
硬膜外ブロックの姿勢で覚えておくポイントは3つ
・側臥位
・背中を丸める
・脊椎とベッドが平行
これだけです!
意外と簡単ですよね。
まず、左右どちらか楽なほうの側臥位になってもらい、穿刺しやすいようにベッドの端に身体を寄せます。
目は腹部を見るようにし、膝を抱えて背中を丸めます。
背中を丸める理由は、棘突起間をできるだけ広げ穿刺しやすいようにするためです。
膝を抱えるようにと言いましたが、膝の疾患があり膝関節が曲がらない方は、伸びたままでOKみたいです。
枕を調節して頭が下がらないようにし、脊椎はベッドに対して平行になるようにします。
医師が穿刺をしやすいように,ベッドの高さは高めに設定することが多いです。
穿刺の流れ
穿刺部を中心に,広範囲に消毒
↓
穿刺時の痛みの軽減のための表面麻酔
↓
硬膜外ブロック用針の穿刺
↓
薬液の注入
↓
バイタルサインなどの観察
こんなような流れです。
持続的に薬液の投与が必要な場合は、カテーテルを使用する場合もあります。
適宜医療者は声かけを行いつつ、出来る限り患者に不安が生じることがないように努めます。
まとめ
・硬膜外ブロックは脊髄神経および交感神経を遮断し、除痛を得るもの
・適応疾患は、椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、帯状疱疹後神経痛
・硬膜外ブロックの姿勢は側臥位で背中を丸め、脊椎とベッドが平行な状態で行う
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参考文献
平野純子(2013):整形外科の基本看護技術②,硬膜外ブロック,整形外科看護,vol.18,no.5