パワープレートは本当に効果があるのか?筋力向上につながる大事な考え方を解説
1. パワープレートとは何か
パワープレートとは
「3次元ハーモニック振動」を利用して神経や筋肉、刺激を受け入れる 細胞などの反射を高め、カラダ本来の機能や可動域を効率よく鍛えられるもの。」
???
いまいちピンとこないですよね。
ざっくり説明すると
「いろんな角度でたくさん震える床の上で運動すると、筋力が上がりますよ。」
ということになります。
つまりパワープレートを利用することで、短時間で効率の良いトレーニングができるということですね。
私の働いている総合病院でも導入されており、リハビリにも非常に貢献してくれています。
病院以外にも、整形外科やクリニック、接骨院やスポーツジムなどにも取り入れられています。
介護予防分野でも活躍しており、デイサービスセンターや通所リハビリ施設などでも使用されています。
スポーツ選手から高齢者まで使えるので、非常に汎用性が高いことが特徴です。
2.なぜパワープレートがよいのか?
さてここで質問をさせてください
なぜ振動する床が普通の筋トレより効果があるのでしょうか?
皆さんは考えたことがありますでしょうか?
細かい説明はPower Plate Japanの公式サイトなどでもご覧になれると思いますが、なかなか説明されてもピンと来ないのではないかと思います。
一つの考え方としては、人間の「脊髄反射」を利用して効率的なトレーニングができるようにしています。
ちなみに私はPower Plate Japanと何のかかわりもなく、パワープレートを使用する者として、個人的な見解も含みますのでご了承ください
3.反射を利用して筋力強化
ここで一つ論文をご紹介いたします。
The Effect of Whole Body Vibration on Ankle Range of Motion and the H-reflex
日本語訳では
「足関節の可動域とH反射に対する全身振動の影響」
となります
つまりパワープレートが足の柔らかさとH反射にどのような影響を及ぼすかを調べています。
先生!H反射ってなんですか?
ご質問ありがとうございます
H反射は簡単言えば、「脊髄反射」のことです。
私たちの足は非常に便利なことに、頭で考えなくても勝手に体が動いてくれています。
熱いものを触ってしまったときに、頭で考えるより先に手を引っ込めますよね?
それと一緒と考えていただいて構いません。
その反射の反応が早いと、筋肉が反応しやすい状態となり、素早く体を動かすことができるということです。
この研究ではパワープレートによる体の無意識の反応を見ているのです。
介入前、介入直後、介入5分後、介入10分後、介入15分後、介入20分後の足関節背屈可動域とH反射の振幅をコントロール群と比較した。
コントロール群でも同様にH反射の振幅は介入直後で低下を示した。
足関節関節可動域の測定において、有意な差はなかった。
んーあんまり結果が出てないのが悔しいところですねえ。
まとめると、パワープレートに乗った直後は筋肉が反応しやすい状態になるものの、それはパワープレートに乗っていなくても同じ効果が得られる場合があるということです。
筆者も述べているように、H反射は色々な要素に影響されやすく、研究が難しいようです。
私の個人的見解としては、パワープレートに関して色々と研究はされておりますが、なかなかエビデンスが構築されていないようです。
もちろん、いい効果が出ているのもたくさんあります。しかし、普通にトレーニングをした時とどのくらい違うのかは人それぞれなようです。
そのため、「パワープレートに乗りさえすれば理想の体が手に入る!」と過信しすぎるのはよくないかもしれません。
あくまでも通常のトレーニングの効果を少し後押ししてくれるものとして考えるとよいかと思います。
まだまだ研究が発展途上の段階なので、今後の臨床試験も注目すべきです。
4.まとめ
・パワープレートは短時間で効率の良いトレーニングができるといわれている
・パワープレートはスポーツ選手から高齢者まで使えるので、非常に汎用性が高いことが特徴
・パワープレートは反射を利用して筋肉を使いやすくしてくれる
・実際にはまだまだ研究も発展途上であり、あくまでも通常のトレーニングの効果を少し後押ししてくれるものとして考えるべき
参考文献
https://power-plate.co.jp
Stacey Apple(2010), The Effect of Whole Body Vibration on Ankle Range of Motion and the H-reflex,North American Journal of Sports Physical Therapy ,Volume 5, Number 1