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交代浴ってなに?腰痛や肩こりにも効果的な入浴法を完全解説

◆この記事を読む人◆
腰痛や肩こりのある方
疲れがとれない方

 

◆この記事で分かること◆
交代浴の効果
交代浴の方法

 

◆この記事を書いている人◆
都内総合病院で働く理学療法士
スポーツリハビリ分野で筋疲労回復の指導を行う

 


皆さん「交代浴」ってご存じですか?

こうたいよく?

効いたことある気がするけど・・・

どんな効果があるか知ってる?

なんか代謝にいいんでしょ?



今回は交代浴についてお話ししようと思います。

 

筆者はプライベートでも月に一回温泉に行くほどお風呂好きなので、とても張り切っています。

そんなことはどうでもいいんですが・・・

 

今回も科学的な視点で、まとめていこうと思います。

 

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1.交代浴の効果


そもそも交代浴とは何ぞやと思うかもしれません。

 

簡単に言えば、

身体を温水と冷水に交互に浸水させること
になります。

 

みなさんサウナって行ったことありますでしょうか?
サウナはまさに疑似的に交代浴を行っているといえます。

 

温水と冷水を浴びるのがどうしたの?

 

そうですね。
以下に交代浴の効果を記します。

 

交代浴の効果
  • 体表温度上昇効果
  • 血管の収縮と弛緩を繰り返し浮腫の軽減
  • 水圧による知覚過敏への適度な刺激
  • 疼痛の緩和



もっと簡単に言えば

身体が温まり、血流が良くなって、痛みが減る
ということになります。

 

身体が暖かい環境と寒い環境を交互に繰り返すことで、血管が細くなったり、太くなったりします。

 

人間の身体は寒いときに、血液をたくさん巡回させるために血管が細くなるようにできています。

 

皆さんもホースの出口を少しつまんで水撒きをした経験がおありになると思います。

 

ホースの出口をつまむと、より遠くに水が出るようになりますよね。

それと同じです。

 

血流循環が良くなることで、筋肉にも多く血液がいきわたりますので疲労回復の効果があります。

 

交代浴の疲労回復に関する研究は多く見られます。

一つだけ最近の研究をご紹介いたしますね。

 

タイトル

交代浴における時間配分の違いが下腿三頭筋の疲労回復に及ぼす影響

対象

健常成人 21 名
①長温浴群(温浴 4 分,冷浴 1 分) ②長冷浴群(温浴 1 分,冷浴 4 分) ③コントロール群(交代浴なし)の3グループに分割

方法

被検者はカーフレイズ400 回(20 回×10 セット×2 クール)を実施
24 時間後に大腿遠位部の部分的交代浴を計 4 セット実施
運動課題前,24 時間後,交代浴実施直後・直後から 10分・20分・30 分・48時間・72 時間後後にBorg 指数を評価

結果

Borg 指数は,実施前から交代浴終了 30 分 後までは有意差なし
48 時間では,長温浴群が 6.25,長冷浴群が 6.60 でコントロール群 が 10.0
72 時間後では,長温浴群が 6.00, 長冷浴群が 6.60,コントロール群が 9.29 となった。

 


Borg指数は運動中の自覚症状を基にした指標で、6-20の数値で示されます。

6が全く疲れていない

20が疲れすぎて死にそう

となります

 

 

研究を簡単にまとめると、
ふくらはぎの筋疲労は交代浴でかなり改善するよ

ということになります。

 

長温浴群は暖かいお湯に浸かった時間が長く、

長冷浴群は冷たい水に浸かった時間が長い群となっています。

 

長冷浴群はちょっとかわいそう・・・

 

どちらにせよ交代浴で翌日、翌々日にほとんど疲労がなくなってしまったのは驚きです。

 

この手の研究は比較的様々な視点からされておりますので、情報収集してみても面白いかもしれません。

 

 

また、

水圧による知覚過敏への適度な刺激と疼痛の緩和に関して、

 

皮膚に冷たい刺激と熱い刺激が加わることで、皮膚の温度感覚にずっと刺激が入っているような形となります。

 

皮膚の温度感覚は痛みとは違う感覚となりますので、痛みを少なく感じることができます。

 

これに関しては、以前ゲートコントロール理論についてお話しした記事がありますので、そちらをご参照ください。

 

 

www.rehatree.net

 

 

交代浴は、血流が良くなって痛みが少なくなるので、腰痛や肩こりをお持ちの方にはとても有効的であるといえます。

 


2.交代浴の方法

 

ではいったいどうやって交代浴を行えばいいの?

今から説明しますね

 

以下に交代浴の方法をまとめましたのでご参照ください。

 

◆交代浴の方法◆
① コップ1杯の水を飲む(スポーツドリンク推奨)
② 42℃前後の温浴に3~4分間入浴(手だけ、足だけも可能)
③ 10℃前後の冷浴に30秒~1分間入浴
④ 4~5回繰り返し冷浴で終える



以上の手順となります。

 

どうでしょうか?

けっこうかんたんだったでしょう?

 

時間に関しては教科書的な記載となっていますので、
ご自身の体調に合わせて調整なさってください。

 

意外と忘れがちなのが水分補給ですので、必ず交代浴を行う前に水分補給を行ってください。

 

自宅で行うときには、冷水は30度程度でも構いません。
あくまでも上記の温度は目安としてお考え下さい。

 

足のむくみが気になる方や、手首を痛めた方などは部分的に行っても効果が得られるといわれております。

先ほどの研究でも部分浴でよくなっていましたね。

 

また、最後に冷水で終えることで湯冷めを防ぐ効果があります。


交代浴のいいところは、

自宅でも簡単に行えることや一人で行える点

にあります。


ぜひご自宅で試してみて下さい。

 

3. 交代浴の注意点

 

交代浴は体に負担のかかる入浴方法になるため、実施する際は体調と相談しながら行うようにしてください。

特に高血圧や心不全をお持ちの方は控えるようにお願いいたします。

 

また気分のすぐれない時はすぐに中止するようにお願いいたします。

 

以下に簡単な注意点を上げます。

 

注意点
  • 痛みや症状が強い症例では、温度や時間は調整する
  • 炎症症状(熱感や出血)がある場合は行わない
  • 強い痛みや異常感覚が生じた場合はすぐに中止する

 

腰痛に関しても手術直後の方やぎっくり腰の方は対象になりません。

 

あくまでも慢性的(3か月以上)に腰痛や肩こりがある方に対して、効果的ですのでご注意ください。

 

4.まとめ

 

交代浴は温浴と冷浴を繰り返し行う入浴方法

交代浴を行うことで、身体が温まり、血流が良くなって、痛みが減る

体調不良には十分に気を付ける

 


参考文献
當間裕太(2019):交代浴における時間配分の違いが下腿三頭筋の疲労回復に及ぼす影響. 理学療法科学34巻
杉野美里(2016):物理療法,特集/末梢神経障害に対する治療の進歩一新たな展開とリ八ビリテーションMB Med Reha No.204